注射の痛みをやわらげるには、こどもをリラックスさせる以外にも効果的な対処法、工夫があります。おもに注射をうつ医療スタッフ側がおこなうものですが、医療や看護のテクニックとしてどのような対処法があるかを知っておくとよいでしょう。注射以外に、さまざまなこどもの痛みへのケアを考える上でも役立ちます。
注射を刺す部位を、直前につまんだりたたいたりする方法です。注射をさしたときの痛みを感じにくくなることが知られていますが、これは、皮膚をつまむ、たたくといった刺激が脊髄に伝わることで、注射による痛みの信号が脳に伝わりにくくさせる遮断器のような働きをしているからです。
注射の針は、太いほど皮膚の表面にある痛点(つうてん)にあたりやすくなります。そのため、できるだけ細い針を使うことは、痛みを減らす上で効果的です。また、消毒用のアルコールがぬれたままだと、針といっしょに皮膚の下に入り、痛みが増すとされています。針をさすときは、アルコールがしっかり乾いていることを確認します。また、できれば針を抜いた後は、針穴にアルコールが沁みないように乾いたコットンで圧迫することで痛みを減らすことができます。